新しいカメラを購入してしまいました。
新しいと言っても、とても古いのですが……。
RICOHFLEX New Dia(リコーフレックス ニューダイヤ)
こちらがそのカメラになります。

見ての通りのクラシックカメラ。2つのレンズが並んでいる、「二眼レフ」というタイプになります。1956年製、69年も前のカメラです。
2025/6に渋谷で開かれた「国産中判フィルム写真展」という写真展を見に行ったのですが、そこに展示してあった写真が、どれもデジタルとは全く違う物でした。フィルムならではの味わいと、それでいて高い解像度を持っている。
気になったので、主催のあめちゃん @amedia_online さんに中判フィルムカメラを初めて買うならどんなものがおすすめかを聞いたところ、「1万円程度の二眼レフが良いんじゃないか」ということで、そのあたりを探しに中古ショップに行ったりWebで二眼レフカメラについて勉強したりしました。
二眼レフカメラは、現在は生産されていないので、全て中古ということになります。どんなカメラと出会えるかは文字通り一期一会。
1万円程度、ということで探すと、「リコーフレックス」という機種が手頃で手に入りやすいことが分かりました。1950年代に大ヒットしたカメラだそうです。
ただ、この安い前期型は、シャッタースピードが最高1/100秒までと、なかなかキツイスペック。また、古いこともあって使い勝手もさすがにあまり良くない模様。
そこで、少し高くなりますが(と言っても、2万円前後)、後期型のニューダイヤというモデルを見つけました。こちらは1/400秒まで使えるようで、実用に耐えそうです。ということで、こちらを買ってしまいました。
お店でシャッターなどの動作確認と説明をしてもらい、購入。今回は、レモン社 銀座教会点さんで購入しました。クラシックカメラが多数展示してあるお店です。
外観等
主な操作系は前面にあります。

左下のボタンがシャッター。
その右上の赤丸のレバー(上下に動きます)がシャッタースピードレバー。
その上の小さいのがシャッターチャージレバー。
右側中央の黒丸のレバーが絞りレバー。
右上の赤いのがセルフタイマーレバー。
右下の小さいのが……よくわかりません。セルフタイマーの有効・無効を切り替えることができます。
左右に出てるのが、シーソー式のピントレバー。上下に動かすことでピント位置をずらすことができます。
レンズは、RICONAR 8.0cm f3.5。上下とも同じレンズです。
どのレバーもおおむね操作は滑らかです。
左側面。

奥にあるのがフィルム巻き取りダイヤル。手前の小さな丸いのがフィルムカウンターです。
シャッターを切った後、ダイヤル中央の黒いボタンを押してロック解除。ダイヤルを回してフィルムを巻き取ります。ダイヤルが止まる位置まで回すと、次の撮影ができる、という仕組みです。カウンターは数字が書かれていて、今何枚目かを知ることができます(2眼レフは、基本、12枚撮りとなります)。
右側面。

右側面にはアクセサリーシューがあります。ホットシューではないので、フラッシュは使えない……はず。前面にシンクロターミナルがあるので、繋げば使えるかもしれませんが、対応する機器を持っていません。
上下の丸いダイヤルっぽいものは、フィルム軸受け。フィルムを出し入れするときに、ここを引っ張って軸を外します。
フィルムカバーを開けたところ。

フィルムを入れるときは、下の軸受けにフィルムロールをセットして、フィルムを少し引き出して上のロールに巻き付けていきます。フィルム裏紙の「START」が下部にある赤い点と揃ったら、蓋を閉めて、さらにフィルムを巻いて、カウンターが「1」になったら撮影準備完了となります。
撮影
撮影についても、現行のカメラとは異なります。「Auto○○」的な機能がまったく無いので、フルマニュアル。被写体が決まっても、パッと撮ることはできません。
- 露出計を使ってシャッタースピード・絞り値を決める
- 構図を決める
- ピントを合わせる
- シャッターをチャージする
- シャッターを切る
- フィルムを巻き上げる
といった手順が必要になります。
1.は、ガチな人はちゃんとした露出計を使うらしいのですが、まだ始めたばかりなので、とりあえずスマートフォン用の露出計アプリを使っています。ISO感度をフィルムに合わせ、絞り値を決めてスマホを被写体に向けると、カメラに写った明るさから適切なシャッタースピードを決めてくれる、というものです。それに合わせて、二眼レフ側のシャッタースピード・絞り値をレバーで変更します。
2.が一番大変なところかも。というのも、二眼レフはウェストレベルファインダーと言って、上から覗き込む形になっています。さらに、レンズとミラーを通しているので左右逆像になるのです。
こちらが正しい向き。

二眼レフのファインダーにはこう写ります。

普段はアイレベル(視線の先に被写体がある)なので自然にカメラを動かせますが、カメラをどう動かしたら像がどう動くかが、まだ直感的に理解できず、枠内に入れること自体がわりと大変。
3.ピント合わせは、ファインダーの上に内蔵されているルーペを取り出して、ピントを合わせたい場所を拡大。ピントレバーを動かしてピントを合わせます。
4.シャッターを切る前に、チャージレバーを押し下げてバネのチャージを行います。忘れるとシャッターボタンを押しても「スカッ」となって動作しません(よくやる)。
5.改めて構図が想定通りであることをファインダーを覗いて確認、前面のシャッターボタンを押します。
6. 次の撮影に備えて、フィルムを巻き上げます。巻き上げダイヤルの中央のボタンを押してロック解除。ダイヤルを止まるまで回します。
……というように、実に手間がかかります。昔の人はこれで写真を撮ってたのか……と考えると頭の下がる思いです。
撮ってみた
というわけで、早速フィルムを入れて撮ってみました。使用したフィルムは、Kodak カラーネガフィルム GOLD 200です。今普通に入手できる物で、一番安いのがこれっぽい。
撮ってから、現像に出して、データが送られてきたのが4日後でした。現像は、三宝カメラさん経由で「カメラはスズキ」さんにお願いしています。フィルム現像(返却あり)+データ化で1ロール1600円でした。
とりあえず、まともに写っていたのを何枚か。




意外と色が鮮明に出てる、というのが第一印象。いわゆるイメージとしてのネガフィルムっぽさはあまり感じません。ノイズ感も意外と少ない。元データを拡大してドットバイドットで見ると、さすがにノイズが乗ってるのはわかるのですが、それでもざらざらした感じはありません。70年前のカメラでこんな画が撮れるんですね……。
空の青が飛び気味なのは仕方ないというか、地上の被写体に合わせて露出を決めたせいですね。露出計アプリの値より、少し低めにしたほうが良さそうな気もします。
難しいと感じたのは、ピント合わせと、構図の取り方。
中判だと、フィルムサイズが大きい(6cm×6cm)ので、ちょっと絞りを開けると、ピント合わせが滅茶苦茶シビアになるのですね。
こちらは、F5.6ぐらいで撮ったと思うのですが、ピントが下のつぼみの方に合っちゃってます。

解放近く(F4)だともう目も当てられない……。グルグルボケも出ちゃってるので、慣れない内はある程度絞って撮るのが無難な感じです。

あと、ちょっと持ち方が悪いと、こんな風に水平垂直がどこかに行ってしまいます。

上の写真の設定(絞りとシャッタースピード)で間違えて撮っちゃったのが次の写真。露出不足になってしまいました。F11でも距離があるとこれだけボケる。

デジカメだとこんな感じ。33mmF2.8です。

綺麗さではデジカメが圧倒的ですが、色のりの違いとか、あと、立体感。これがAPS-Cセンサーと中判フィルムの違いなのか、と思ってしまいました。
操作から画質まで、デジカメとは全く異なるカメラを扱うのはとても新鮮な体験でした。次はどこに撮りに行こうか。