PCがぶっ壊れた
それは突然のことでした。
6月10日の朝、いつものようにパソコンの電源を入れたら、OSが一向に起動しないのです。OSどころかBIOSすら。
よく状態を見て(聞いて)みると、電源LEDは点いているし、ファンは回っているものの、HDDの駆動音が一切聞こえない。念のため、電源コンセントを引っこ抜いて、しばらくしてから挿し直してもダメ。
これは、電源ユニットか、マザーボードかCPUが逝っちゃったな……と判断せざるを得ませんでした。
パーツショップに見積もりを依頼
こうなると、パーツを交換する必要があります。しかし、しばらく主要パーツの交換予定が無かったため、市場の動向をまったく把握していませんでした。値段は?入手状況は?評判は?
自分の意思で「交換しよう!」というときは、もちろんこのあたりの下調べをするのですが、突然の故障だったため、そして初代RYZEN 7 1700以来の主要部品交換のため、気分はすっかり浦島太郎です。すぐにでも復旧させたいので調べる時間も無し。
それでも、少しパーツショップのサイトを見ていたところ、自作PCの部品の選定・見積もりをしてくれるところを見つけました。
アキバでは超有名なショップ、ツクモのサービスです。フォームに必要事項を入れると、部品を選定して見積もりをしてくれるらしい。
というわけで、まずはここを頼ってみることに。
という、かなり大雑把なオーダーでしたが、2時間足らずで回答をいただけました。サイトには状況によって数日かかるかも、とあったので、これはかなり嬉しい。
で、出てきた見積もりがこんな感じ。
ちょっと予算オーバーだけど、選定されたパーツは妥当な感じです。CPUクーラーが予想外に高いけど、評判を見ると「12cm空冷最強」とのことなので、TDPの上がったRYZEN 5800Xでも安心そうです。
というわけで、この見積もりで購入する旨を伝えて、土曜日にアキバに。
組み立て開始
買ってきたパーツがこちら。重かった……。
まずは、ケースから今あるパーツを取り外します。この際だからと、外せる物は全部外して、エアダスターを使ってホコリを取り除きます。
新マザーボードには、CPUを取り付け。この瞬間が一番ドキドキしますね。少し前に「RYZENのピンを曲げた」というネットの記事を読んでいただけに……。
上下の銀色のパーツは、今回取り付けるクーラー、Noctua NH-U12A専用のリテンション。標準装備のリテンションを取り外して付けます。
マザーボードをケースに固定して。
メモリとCPUクーラーを装着します。クーラーの巨大さが目立つ。
後は、電源ユニットを積んで、グラボを挿して、配線をして完了です。ストレージは積んでいますが、まだ結線せず。
起動はしたものの……
さて、いよいよ電源投入。ドッキドキします。
スイッチを押すと、電源はオンになり、ファンが回り出しました。ついでに、マザーボードが光る(笑)。
画面を見ると、無事、BIOSが表示されています。メモリも認識されていて、まずは一安心。
一度電源を切って、ストレージを繋いで、再度電源オン。
ところが、OSが起動しません。BIOSを開いて起動メニューを見ても、ディスク自体は認識しているものの、起動デバイスが無いと言われてしまいました。
まぁ、CPUもマザーボードもBIOSも全取っ替えなので、こういうこともあるでしょう……。こうなると、OSの再インストールしか手段は無さそうです。
ですが、Windows10のインストールメディアなんて持ってない。USBメモリがあれば作れるようですが、もう一台のマシン、OneMix4は、USB-Cしか付いていないため、ここに挿せるUSBメモリが手元にありませんでした。
というわけで、急遽、USBメモリを買ってきました。近所に家電量販店があってよかった……。
左が新しいUSBメモリ。Type-A端子とType-C端子が付いていて、どちらでも挿せるタイプです。右は今まで使っていた、USB2.0世代のメモリ。容量はどちらも32GB。話には聞いていましたが、今時のUSBメモリは本当に小さいですね。
買ってきたUSBメモリをOneMix4に挿して、Windowsインストールメディアを作成。
出来上がったインストールメディアを新PCに挿して、Windowsのインストール。既存のパーティションは全部消して、クリーンインストールします。
こうして、無事OSのインストールは完了しました。
OSのライセンスとか、ブラウザのブックマークとか、ATOKの辞書とか、クラウドから取ってきてくれるので非常に楽になりましたね。使っていたソフトは手作業で全部入れ直しですが……。この作業に3日ほどかかりました。
性能はどう変わったか
さて、肝心の性能ですが。通常使う範囲(ブラウジング等)では、ほとんど体感に変化はありません。RYZEN 1700でも十分な速度でした。
ただ、重い処理は明らかに高速化しています。写真のRAW現像ソフトの処理速度は、かなり速くなりましたね。旧環境での速度を測っていないため、体感でしか語れないのが残念ですが。
過去の記録を探したら、3DMarkのベンチ記録が残っていたので、それを比較してみました。グラフィックボードはRADEON RX560(中の下程度のボード)です。
RYZEN 7 1700 | RYZEN 7 5800X | ||
FireStrike | Total | 6151 | 6345 |
Graphics | 6944 | 7021 | |
Physics | 16575 | 28918 | |
Combined | 2197 | 2194 | |
Time Spy | Total | 2258 | 2344 |
Graphics | 2014 | 2059 | |
CPU | 7210 |
10961 |
Graphics性能はわずかに向上しただけですが、CPU(Physics)は、1.5倍~1.7倍ほどに高速化。1700→5800Xで、クロック向上は1.27倍程度なので、クロック以上のスピードアップがなされているのが分かります。
発熱は以前より大きくなっているはずですが、新しいCPUクーラーのおかげか、静音性に関しては以前と変わらずかそれ以下かもしれません。通常時はほとんど無音に近い。部屋のエアコンの作動音の方が大きい。
CINEBENCHというベンチマークソフトで負荷を掛けたときはさすがにファンの音が大きくなりましたが、爆音というレベルにはほど遠い。また、このベンチは10分間負荷をかけ続けるのですが、発熱によるサーマルスロットリングも見られませんでした。
参考までに、CINEBENCH R23のスコアはMulti:14976、Single:1564、MP Ratio:9.46でした。
ひとまず、正常に動くPCを組めて、ほっとしています。システム故障による交換というのは、自分の自作PC歴の中でも初めてかもしれません。
以前から、漠然とそろそろ買い換えたいなぁとは思っていたのですが、ZEN3発売当初の品薄に嫌気がさして、ずっとほっておいたツケが回ってきたのでしょうか。今はすぐに買えるようになっていたのは不幸中の幸いでした。