一眼レフ/ミラーレス一眼の最大の特徴と言えば、やはりレンズの交換が出来ることでしょう。しかし、レンズは決して安い物ではありません。
もし、買ったレンズが自分の目的と合わなかったら……と思うと、簡単には手を出せません。
それなら、買わなければいいんだ!
というわけで、レンズをレンタルして使ってみることにしました。
富士フイルムでは、東京・大阪・福岡のサービスステーションというところで、カメラボディ/レンズのレンタルができるのです。しかも、当日返却なら無料!
現地に直接行く必要があるので、遠距離だとやりにくいというのはありますが、幸いにも東京住まいなので、行ってみることにしました。
今回借りたレンズは2本(1回につき、最大2本まで)。XF35mmF1.4 Rと、XF35mmF2 R WRです。
どちらも、画角は35mm(35mm判換算:53mm相当)の単焦点。スペック的な違いは、開放絞り値がF1.4と、F2というものになります。
単焦点は初めて使うのですが、前回、東京駅周辺を撮ったときに、35mmの画角が、余計な物が映り込まずに使いやすいと感じたのです。
また、XF35mmF1.4 Rは、俗に「神レンズ」と呼ばれていて、描写に定評のあるレンズなので、使ってみたかった、というのもあります。価格.comでもXFレンズの中で一番人気ですし。
レンタルの手続きは10分ほどで終了。平日と言うこともあり、待たされることはありませんでした。
まずは、X-T20に、XF35mmF1.4 Rを装着。
続いて、XF35mmF2 R WR。
F2のほうがコンパクトで、すっきりした印象です。
レンズごとの実写比較
さて、さっそく実写にて比較してみましょう。この日は、新宿御苑に行って、花を中心に撮ってみました。ちょうど、寒桜が見頃でした。
まずは、ズームレンズ、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISで撮影。画角は35mmで。
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, SS1/680, F3.6, ISO200, 焦点距離35.8mm, 露出補正±0, Velvia
続いて、XF35mmF2 R WR。
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF2 R WR, SS1/2700, F2.0, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
そして、XF35mmF1.4 R。
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF1.4 R, SS1/4700, F1.4, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
咲き誇っている桜の一房をメインに撮ってみた訳ですが、ズームレンズのF3.6では枝や他の花がなんとなく見えるのに対し、単焦点では背景がボケて、メイン被写体である桜の花びらがしっかりと見えています。なるほど、これはすごい……。
もうひとつ、比較写真。今度はロウバイの花です。
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, SS1/180, F3.6, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正+2/3, Velvia
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF2 R WR, SS1/6000, F2.0, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正+2/3, Velvia
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF1.4 R, SS1/10500, F1.4, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正+2/3, Velvia
ズームレンズのほうは、背景がごちゃっとした感じになっていますが、単焦点、特にF1.4のほうは、背景がとろけるようにボケています。
使ってみた感覚は
スペックとしては、大きさ、重さともF1.4 Rのほうが大きいのですが、持った感じ、大きな違いは感じられませんでした。
絞りリングを回す感覚は、F2 R WRのほうがねっとりしていて好感触。F1.4 Rは少し軽い感じです。
AF速度については、たしかにF1.4 Rが遅いのですが、これも花のような被写体であれば、不満に思うレベルではありませんでした。大きく対象を変えたときに少し時間がかかる感じですね。F2 R WRのほうはだいたいいつも速いです。
ただ、F1.4 Rで、絞り開放のまま、梅のような小さな花にピントを合わせようとすると、AFが合わない(奥の枝に合ってしまう)ことが、何度かありました。絞った状態でピントを合わせてから、絞り開放にすると合うのですが。ちょっとやっかいですね。
F1.4 Rでレンズフードを付けたままだと、先細りのレンズフードのため、レンズキャップの付け外しがちょっと面倒でした。あと、F1.4 Rはレンズフードがちょっとガタつくのが不安。
そんな感じで、使い勝手としては総じてF2 R WRのほうが上だと感じました。画質についても、上記の通り、決して悪くはないですし。
F2 R WRの最大の欠点は、対象に寄れない、という事でしょうか。
Xマウントレンズの最短撮影距離をまとめたページがあったので、見ると、F1.4 Rは28cm、F2 R WRは35cm。少し使い方は考える必要がありそうです。
新宿御苑の風景
レンズごとの比較は以上になりますが、新宿御苑の写真はいろいろ撮ったので、よかったら見てやってください。
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF1.4 R, SS1/1300, F1.4, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
カンツバキ
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF1.4 R, SS1/950, F1.4, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
一面の寒桜。
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF1.4 R, SS1/480, F5.6, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
和風仕立ての休憩所。平日でしたが、自分以外にも、カメラを持って花を撮ってる人がけっこう居ました。
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF1.4 R, SS1/550, F2.0, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF1.4 R, SS1/1900, F1.4, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
紅白の梅
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF1.4 R, SS1/240, F5.6, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF2 R WR, SS1/2400, F2.0, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF2 R WR, SS1/1300, F2.0, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia
FUJIFILIM X-T20, FUJINON XF35mmF2 R WR, SS1/1900, F2.0, ISO200, 焦点距離35mm, 露出補正±0, Velvia